2020/05/21

果糖 ver.2.0

人間の身体には生命を維持する上でビタミンが必要不可欠です。
そのビタミンを補う方法の一つとして、フルーツを食べることが普通になってますが、皆さんはフルーツが身体にもたらす影響をどこまでご存知でしょうか。

「美容に特化するなら、フルーツは食べない方が良い。」

それでは、信じたくない方のために、説明して行きましょう。
最初に一般の方向けに説明し、最後に専門の方向けに捕捉を書いてます。


フルーツを食べると、ビタミンと一緒に果糖(以下、フルクトース)も摂取することになります。
そのフルクトースは、血糖値が上がりにくいとあるのですが、何故上がりにくいのでしょうか。
グルコースとフルクトースでは一体何が違うのでしょうか。
ちなみに化学式はどちらもC6H12O6で一緒です。
実は、フルクトースは体内ではあまり良い物質とされていないようです。
そのため、腸から吸収されたフルクトースは門脈を経て肝臓で真っ先に分解されてしまうのです。
だから、血糖値が上がりにくいのです。

では、何故フルクトースが良い物質とされていないのでしょうか。
それは、フルクトースはグルコースより10倍もメイラード反応が起きやすいからです。
メイラード反応とは簡単に言えば老化を促進させる反応です。
しかも、通常、生体内の物質はそれだけだと反応が起こりづらく、酵素を利用して爆発的に反応を促進させます。
しかし、フルクトースのメイラード反応は、この酵素を必要とせずアミノ酸だけで反応が出来てしまうのです。
トレーニングをしてタンパク質(アミノ酸)をがっつり摂って、健康的にフルーツメインの食事をして
周りにもいるはずです。
もはや、老化に向けてアクセル全開です。

また、血糖値が上がりにくいから太らないとおっしゃってる方がおりますが、これは完全に間違いです。
説明は後述の専門的な補足欄に書くので答えだけ述べてしまうと
フルーツを食べ過ぎると、太ります。
その脂肪は肝臓にも蓄積され脂肪肝にもなりやすくなります。
また、その反応の過程で肝臓に負担を掛け肝機能に障害を与えます。
これらは全て、私個人の見解ではなく、専門の参考書に載っている内容です。

では、肝心のビタミンはどうすれば良いのかと言いますと、フルーツ以外の食材からでもほとんどのビタミンを摂ルことが出来ます。
ビタミンCと言えばレモンをイメージしますが、パプリカやブロッコリーの方がビタミンCは多いです。
「ビタミン◯   食材」で検索すれば嫌って程出て来ます。

ついでですが、フルーツから酵素が摂れると書いてる方がいるのですが、酵素はそもそもタンパク質です。
アミノ酸を摂っていれば、わざわざフルーツから摂る必要はありません。

美容に興味のある方は、ぜひ

「フルーツ以外からビタミンを摂る」

を実践にしてみてください。




以下、専門的な捕捉になります。

フルクトースは、肝臓と脂肪組織で代謝され解糖系の中間体に変換される。
中間体への代謝過程は以下である。

大部分のフルクトースは、肝臓でフルクトキナーゼによってフルクトース1-リン酸に変換。
次に、フルクトース1-リン酸はフルクトース1-リン酸アルドラーゼによって、ジヒドロキシアセトンリン酸とグリセルアルデヒドに開裂。
次に、グリセルアルデヒドは、トリオキナーゼによってリン酸化されグリセルアルデヒド3-リン酸に変換。

脂肪組織では、フルクトースはヘキソキナーゼによってリン酸化されフルクトース6-リン酸になることもある。


フルクトースが太る理由、そして体に良くないとされる理由は以下です。

フルクトース由来のグリセルアルデヒド3-リン酸とジヒドロキシアセトンリン酸は、解糖系で最も重要な制御段階の6-ホスホフルクトキナーゼが触媒する反応を回避してしまっている。
そのため、そこから出来た過剰なアセチルCoAは脂肪酸に変換され脂肪組織の輸送されたり、肝臓も脂肪酸を蓄積し始め脂肪肝をもたらす。
また、フルクトキナーゼとトリオキナーゼの活性は、肝臓のATPと無機リン酸を枯渇させ肝機能に障害を与える。
参考文献 ストライヤー生化学(P433)

2020/05/07

P型ATPアーゼの輸送機構

PATPアーゼの輸送機構

筋小胞体カルシウムの輸送機構
①細胞質側からCa2+のポンプに結合
ATPの結合
ATPの結合により、構造変化が起こりNa+を取り込む。
ATPの加水分解により生じたリン酸基がAsp351への転移
ADPの放出により、酵素が外転し膜の反対側にCa2+の放出
⑥リン酸化アスパラギン酸の加水分解により無機リン酸基が放出
⑥安定化していた相互作用が失われ酵素が外転
⑦サイクル終了


Na+,K+-ATPアーゼの輸送機構
①細胞質側からの3つのNa+がポンプに結合
ATPの結合
ATPの結合により、構造変化が起こりNa+を取り込む。
ATPの加水分解により生じたリン酸基がAsp351への転移
ADPの放出により、酵素が外転し膜の反対側にNa+を放出
Na+の放出された側からK+が結合
⑦次に、リン酸化アスパラギン酸の加水分解により無機リン酸基が放出
⑧安定化していた相互作用が失われ酵素が外転しKa+が放出される
⑨サイクル終了

活動電位

シナプス間隙は50nmほどの狭い隙間で、神経インパルスが神経軸索終末に到達すると、およそ300個の膜に結合したアセチルコリンの小胞が一斉にシナプス間隙に放出される。
アセチルコリン受容体は、リガンド依存性チャネルであり電位は必要としない。
アセチルコリンが受容体の細胞外ドメインに結合すると、膜貫通ヘリックスがアロステリック変化により15度回転し小孔の壁は大きな疎水性アミノ酸残基ではなく小さな極性アミノ酸残基が占めるようになり、N+を細胞内にK+を細胞外に通すことのできる開いた状態となる。
この間、1ミリ秒以内に正の値になる。
膜電位が-40mVに近づくと、N+チャネルの電位依存性パドルが引っ張りN+チャネルが開く。
これによりN+が急速に細胞内に流入し膜電位は急速にナトリウムの平衡電位へと上昇し脱分極する。
また1ミリ秒後には多くのK+チャネルが同じ様に開き始め、K+が細胞外に流出する。
同時に、不活性化を担う球が開いたN+チャネルを塞ぎN+電流を減少させる。
これによりアセチルコリン受容体も不活性化し、膜電位は急速にK+イオンの平衡電位と下降し過分極する。
開いたK+チャネルも球ドメインによる不活性化受けカリウム電流も遮断され静止膜電位に戻る。
膜電位が最初の値に近づくと、活性化ドメインは外れ、チャネルも元々の閉じた状態に戻る。
膜の脱分極は近傍領域の膜に存在するチャネルを開くため、これらの過程は神経に沿って伝播する。
典型的な神経細胞は、細胞膜1μm2あたり100個のN+チャネルを含んでいる。
膜電位が+20mvのとき、個々のチャンネルは1秒間に107乗個のイオンを通す。
このイオンの流入速度に相当するN+濃度の上昇はわずか1%程度となる。
この感受性の高さにより、活動電位は長い距離にわたって速い繰り返し速度で効果的にシグナルを伝えることができる。