血管内皮の破壊により、血漿タンパク質である血液凝固因子第Ⅻa因子(ハーゲマン因子)により血漿カリクレインが活性化される。
血漿カリクレインがキニノーゲンのペプチド結合を加水分解し、ブラジキニンとカリジンに分解する。
(ブラジキニンを生成する因子は血管修復に関わるので、ブラジキニンは血圧を低下させる作用がある。)
ブラジキニンはG蛋白共役型受容体であるブラジキニン受容体(B2R)の活性化によりPKCを活性化し、PKC が直接TRPV1の2つのセリン残基をリン酸化することでTRPV1の活性増強をもたらす。
また、TRPV1の活性化温度閾値を32度にまで低下させる。
さらに、ブラジキニンがキニナーゼIによって分解されたときに生成される des‐Arg9‐BK (DABK)が外傷等の刺激によって発現が誘導されるブラジキニン受容体(B1R) と結合する。
これにより、活性化されたB1Rは痛みの増強や炎症反応の維持などを引き起こす。
ここに、プロスタグランジンE2の作用も加わり痛みが増強する。