脂肪冷却による、脂肪細胞破壊。
そこには一体どんなプロセスが存在するのだろうか。
そこで、脂肪冷却に関して考察してみた。
まず、美容外科さんのサイトを漁り調べてみると、どこのサイトも脂肪冷却はハーバード大学の研究チームが発表した論文が元になっていると謳っている。
この段階で多くの消費者は、登場した大学のスゴさに思考を停止させる。
美容外科のサイトでは、もちろん細かなプロセスは載せてないので、今度は美容機器メーカーのサイトを漁る。
そこで、あるマシンの医薬品医療機器総合機構による審査報告書があったので読んでみた。
どうやら、脂肪冷却により脂肪細胞にアポトーシスを誘発させ脂肪を減少させるらしい。
40ページもあったのに得られた情報はこれだけ。
私が知りたいのは、どういうプロセスで冷やしただけでアポトーシスが誘発されるかだ。
仕方なく元になったハーバード大の論文も見付けて読んでみた。
そこでやっと少し前進。
その論文には、
Triglycerides can crystallize around 10℃ depending on chain length, cooling rate and degree of saturation.
「トリグリセリドは、鎖長、冷却速度および飽和度によって約10℃で結晶化することができる。」
また、
Taken together, these observations suggest but do not prove that lipid crystallization is responsible for selective injury to adipose tissue.
「まとめると、これらの所見は脂質の結晶化が脂肪組織への選択的傷害の原因であることを、証明はしてないが示唆する。」
とある。
通常、液体が固体(結晶)になるときは、分子の位置や方向に規則性が出来るのだが、分子間の距離はほとんど変わらない。
しかし、脂肪に関しては、それすらもアポトーシスの要因になるのだろうか。
論文の表現からもそこは分からないのか。
ちなみに、脂肪は最初から固体ではと思うかも知れないが、ここでは、脂肪細胞の中の細胞質基質(液体)が結晶化することを話している。
【考察結論】
恐らく、冷却により脂肪細胞内の細胞質基質が結晶化することで細胞自体の物質供給が止まりアポトーシスが起きるのだろう。
そして、結晶化の温度の高さが中性脂肪にだけ働く特異性になっているようだ。
最後に、夢を壊してしまったら申し訳ないが、表記してあった減少した脂肪の厚さを書いちゃおうかな。
数ミリだって…
走るの嫌いだけど、走った方が痩せそうだな。