2014/06/10

止血・血液凝固

私たちの体内の交通路は血管である。

その血管はどのように整備されているのか。


この整備には、赤血球、白血球と並ぶ血液中の有形成分、血小板が大きな役割を果たす。


血小板は1mm³に約15~40万あり血管の内皮細胞に対する栄養供給の働きを持つ。


血管壁が脆弱化して基底膜が露出すると、血小板が反応して露出部に栓を作り血液の流出を防ぐ。


また損傷血管からの出血の阻止には次のように働く。


止血には一次止血と二次止血がある。


まず、血小板からセロトニン、カテコールアミンが放出され血管が収縮。


破壊された血管の基底膜などのコラーゲンに血小板が粘着する。


血小板からADP、Ca²⁺が分泌され血小板血栓「白栓」が形成される。


これが一次止血。


ただし、血小板血栓はサランラップで仮止めしたようなもの、長持ちしないので二次止血の血液凝固が始まる。


肝臓で生成されたプロトロンビンがトロンボプラスチン、Ca²⁺の影響を受けトロンビン転換される。


そして血漿蛋白質のフィブリノゲンがトロンビン、Ca²⁺の影響を受けフィブリンに転換される。


そして、このフィブリン(繊維素)の網に血球成分がかかり、血液凝固「赤栓」が起こり堅固なものになる。


24~48時間後には完全に赤栓に置き換わる。


そして、血管壁の欠損部が内皮細胞に置き換えられる頃になると、役割を終えた血栓の除去が始まる。


プラスミノゲンがプラスミンに転換されフィブリンを分解。


分解されたものは老廃物として流されてしまう。


これを繊維素溶解現象という。


こうして私たちの体内の交通路である血管は常に保たれているのである。




<補足>

ビタミンKが肝臓におけるプロトロンビンの合成を促進。
紫斑病→血小板の数が少ない。
壊血病→ビタミンC欠乏
血友病A→第8因子(抗血友病因子)欠乏
血友病B→第9因子(クリスマス因子)欠乏

止血1~3分

凝固5~15分




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