この表現だと能動的に収縮・拡張しているように取れるからだ。
収縮出来るのは、平滑筋が存在する血管だけで、毛細血管には平滑筋がない。
よって正確に言うと、出来るのは受動的な拡張・弛緩だけである。
一緒のようだが全然違う。
血管は流れから以下に分類される。
- 大動脈
- 動脈
- 細動脈
- 毛細血管
- 細静脈
- 静脈
- 大静脈
毛細血管は一層の内皮細胞で出来ていて、太さ約6~8㎛(マイクロメートル)。
マイクロメートルとは1/1000ミリ。
毛細血管は大きく二つに分けられる。
「大通り毛細血管」
マイクロメートルとは1/1000ミリ。
毛細血管は大きく二つに分けられる。
「大通り毛細血管」
細動脈から細静脈に流れる優先絽
「真毛細血管」
「真毛細血管」
大通り毛細血管の動脈よりの平滑筋に富んだ部分(メタ細動脈)から分岐する。
真毛細血管の入口部分(メタ細動脈)には前毛細血管括約筋があり、その開閉によって血流を調整する。
大通り毛細血管の静脈よりに流入する。
大通り毛細血管の静脈よりに流入する。
毛細血管において栄養素などは輸送蛋白やチャンネルで移動する。
一部小分子は動脈側より濾過作用で間質液に移動。
透過物質や酸素・二酸化炭素は拡散によって移動する。
血管の収縮・拡張は様々な方法で調節される。
筋原性の調節:
平滑筋自体の性質による収縮
化学物質による調節:
血管収縮物質…セロトニン、エンドセリン
血管拡張物質…ブラジキニン、ヒスタミン、乳酸、二酸化炭素、アデノシン、一酸化窒素
これらは代謝産物で組織内に蓄積することにより血管が収縮・拡張する。
エンドセリン、一酸化窒素は血管内皮細胞から産生される。
神経性の調節:
平滑筋は自律神経の支配を受けている。
主に細動脈、前毛細血管括約筋、動静脈吻合、細静脈において調節を行う。
「交感神経アドレナリン作動性血管収縮神経」
ほぼ全身の血管に分布しノルアドレナリンを分泌。
大部分の血管はこの神経の興奮が抑制されることで拡張(弛緩)する。
「交感神経コリン作動性血管拡張神経」
骨格筋に分布しアセチルコリンを分泌。
筋血流量を増やす。
筋血流量を増やす。
「副交感神経血管拡張神経」
脳幹、仙髄から出るリラックスに関わる神経。
アセチルコリンを分泌。
脳の軟膜の血管にも分布。
アセチルコリンを分泌。
脳の軟膜の血管にも分布。
筋原性や神経性による血管の収縮・拡張は平滑筋によるものなのでイメージがつく。
化学物質による収縮・拡張も実は平滑筋が関わって来る。
たとえば血管拡張物質のブラジキニン。
ブラジキニンは、B2受容体に作用し、血管内皮細胞に存在する一酸化窒素合成酵素(NOS)が活性化されアルギニンから一酸化窒素(NO)が産生される。
NOは細胞外に出て血管平滑筋に取り込まれcGMPの産生を促し、cGMPが増えるとCa²⁺が細胞内から細胞外に流出、平滑筋が弛緩し血管が拡張する。
このことから、血管の収縮・拡張には必ず平滑筋が関与していると言える。
中膜に位置する平滑筋が収縮・拡張する際、内膜の内皮細胞も一緒に収縮・拡張することから、内皮細胞自体にも弾性があることは確かである。
しかし、内皮細胞自体の能動的な収縮・拡張はない。
したがって、一層の内皮細胞から出来ている毛細血管は前毛細血管括約筋によって血液量が調整されて弾性的に拡張・弛緩することはあっても、能動的に収縮・拡張することはない。
<補足>
NOは血管内皮細胞の、
血管透過性調節作用
血小板凝集抑制作用
白血球接着抑制作用
活性酸素産生低下作
活性酸素不活性化作用
活性酸素による脂質酸化抑制さようなどが知られている。
アセチルコリンもcGMPを増加させる。
NOは血管内皮細胞の、
血管透過性調節作用
血小板凝集抑制作用
白血球接着抑制作用
活性酸素産生低下作
活性酸素不活性化作用
活性酸素による脂質酸化抑制さようなどが知られている。
アセチルコリンもcGMPを増加させる。
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