今回、インスリン抵抗性と分泌量低下について、それぞれの作用機序の一例を書き出してみました。
インスリン抵抗性
本来は、インスリンがインスリン受容体に結合→
インスリン受容体のチロシンキナーゼ活性化→
インスリン受容体チロシンキナーゼがIRS-1のチロシン残基をリン酸化→
PI3K(ホスホイノシトール3-キナーゼ)からAktが活性化→
GLUT4の細胞膜移行を誘導→
グルコースの取り込み
ところが、細胞内に過剰な脂肪酸が入ると、代謝されずにジアシルグリセロール(DAG)が蓄積→
DAGがプロテインキナーゼ(PKC)を活性化→
すぐ隣にあるIRS-1のセリン残基をリン酸化→
IRS-1の構造変化によりチロシン残基のリン酸化が阻害→
PI3Kの結合が遮断→
GLUT4の細胞膜移行が起こらず→
グルコースの取り込み低下
これをマクロ視点で言語化したものがインスリン抵抗性。
インスリンの分泌量低下
グルコースの過剰代謝によりミトコンドリア内で活性酸素(ROS)が発生し、β細胞特有の抗酸化酵素活性が低いことも相まって、細胞障害が進みます。
本来、膵β細胞の核内にPDX-1、NeuroD1、MafAといった転写因子群がプロモーター上で複合体を形成することで、初めて強力なインスリンの転写が維持されます。
ところが、転写因子であるMafaが活性酸素(ROS)によるユビキチン-プロテアソーム系で分解されたり、同じく活性酸素(ROS)によりp38MAPKが活性化しPDX-1がリン酸化しすることで核外移行シグナルが活性化し核内から強制退去させられるため、インスリン遺伝子の転写が開始できなくなります。
これによりインスリンの分泌量が減るのです。
要は、組織の化学的環境の変化が起きているだけ。
それをマクロ視点で言語化したものが膵臓疲労。
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