2017/07/06

抗ガン剤

前回のNK細胞のコラムを投稿後、二人の方から抗ガン剤について質問をいただきました。

ネットで調べると悪いという記事ばかりが出て来ますが、どう悪いのか、なぜ副作用が起きるのかが全く説明されていないので、みんな判断に困ってしまうのでしょう。

そこで、抗ガン剤には色々な種類があり、きっちり標的をねらって行くものもありますが、世間一般でいう副作用が起こる抗ガン剤の説明を簡単にしたいと思います。

例えば、乳ガンなどで使う抗ガン剤にはフルオロデオキシウリジンやメトトレキサートといったものがあります。

これらの抗ガン剤は細胞の増殖を阻害します。



まず、人間の身体は日々細胞分裂で新しい細胞が作られることで新陳代謝が行われております。

この細胞分裂は、簡単にいったら遺伝情報のコピーです。

書類をコピーをするときにインクが必要なように、細胞をコピーするときにはアデニン、グアニン、シトシン、チミン、ウラシルといった塩基が必要になります。

インクのマゼンタ、シアン、イエローみたいな感じです。

この際、チミンは葉酸のサイクルを経て生成されるのですが、フルオロデオキシウリジンはそのサイクルで使われるチミジル酸合成酵素を阻害、またメトトレキサートはジヒドロ葉酸還元酵素を阻害します。

よってチミンが生成されないので細胞が増殖出来ないのです。

これは、ガン細胞に限ったことではなく、正常な細胞の分裂も阻害してしまいます。

細胞分裂が活発な髪が抜けてしまうのはそういった理由によるのです。

外見的に髪が分かりやすいですが、通常体内では血液も骨も日々細胞分裂を行なっています。

それすらもストップさせてしまうことが副作用なのです。

そして、細胞分裂を途中でストップさせられたがん細胞はアポトーシスを起こすというのが抗がん剤の狙いです。

ここで一つ問題なのが、細胞分裂時にしか作用しないということです。

ですので、抗ガン剤を利用しながらリラックスを取り入れ、がん細胞を殺せる自身のNK細胞を働かせることが必要です。

NK細胞は、副交感神経が優位な時に働きます。

今のうちから日々の生活にリラックスを取り入れることこそが最善の方法と言えるでしょう。






2017/07/03

NK細胞療法

先日こんなDMをいただきました。

もし先生の身内がガンになったら先生はどうしますか?と。

私は迷わずリラックスとNK細胞療法を選びます。


人間の身体は常に新しい細胞へと作り変えられています。

髪は伸びるし、爪も伸びます。

古い皮膚も垢となって剥がれ落ちます。

身体の中なので見えないですけど、血液や骨も日々作り変えられています。

そんな中、自分の細胞には全てMHCクラスⅠ分子という目印がついています。

これを基準に、免疫は自己非自己の判断をしています。

異物はこの目印が違うので、すぐに免疫細胞に処理されてしまいます。

ところが、ガン細胞は一応自身の細胞ですし、この目印自体が発現していないので、免疫細胞は判断に困ってしまうのです。

そこで登場するのがNK細胞です。

NKはナチュラルキラーの略です。

名前からして厳ついですが、このNK細胞は、MHCクラスⅠ分子を持っていないのが悪いとばかりに、問答無用で処理してしまいます。

日々数千個のガン細胞が出来ているのに、ガンにならないのはこのNK細胞のおかげなのです。

NK細胞療法は、取り出した自身のNK細胞を培養して増やし、体内に戻す治療方法になります。

ですので、身体に負担のかからない治療方法と言えます。

ただ問題が一つ。

今までNK細胞が機能していなかったからガンになったのに、今更NK細胞を増やして入れたところでガンを処理してくれるのかってことです。

ではなぜNK細胞が働かなかったのでしょうか。

NK細胞をはじめリンパ球は、副交感神経が優位のときしかリンパ節から外に出られないのです。

リンパ節に流入して来る異物は処理出来ても、組織で増殖するガン細胞は殺しに行かないと処理出来ません。

よって、副交感神経を優位にするためにリラックスを取り入れないと効果が期待出来ないのです。

NK細胞療法は保険が利かないのでかなり治療費がかかります。

ですので、今、既に身体の中にいるNK細胞がしっかり働くようにするのが最も賢い選択だと思います。

リラックスをすれば働きます。

リラックスというとサボリをイメージしてしまう人もいるかと思いますが、リラック
スこそ生きて行く上で最も必要なものなのです。

もしあなたがガンになったら、悲しむ人がいるはずです。

その人のためにも進んでリラックスし、免疫細胞を活躍させましょう。