2017/08/12

熱振動と活動電位

温度が上がると熱振動の振り幅が増え、電子はスムーズに原子間を移動しづらくなる。
温度が下がると熱振動が抑えられ、電子はスムーズに原子間を移動しやすくなる。
電池を冷やすとちょっと復活するという雑学はここから来る。
しかし、神経の伝導速度は冷やすと遅くなるとある。
神経も活動電位という電気信号であるならば、熱振動が適用されるはず。
なぜ真逆なのか?
知恵袋にこんな質問が。 https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11110309661

私が、治療家は解剖ばかりやってても意味がないと言うのはこう言うところから来ている。
解剖を学ぶのは当然のことで、治療を突き詰めると結局は生化学に辿り着く。
この質問のやり取りをしている人が治療家なら、私は絶対こういう人のところに治療に行く。

この質問は一見真逆の説明のようだが、そもそもこの2つを同じステージで考えることがおかしい。
活動電位の伝導はただ電子が原子間を移動して軸索を伝わって行くわけではなく、Naチャンネルの開閉などの処理が必要なわけで、これらは全て生体が行う作業である。
そして、そもそもNaチャンネル自体がタンパク質であり、温度とタンパク質の関係性も重要になって来る。
熱振動は原子レベルの小さな世界の話で、活動電位は、原子が合わさり分子になり、分子が合わさり細胞になった世界での話である。
受ける影響に違いが出て当然である。

こういう話をばんばんする治療家を増やして、日本を治療大国にしたいなぁ…
身体が悪くなったら日本に行くみたいな…