2020/07/10

気圧と自律神経の関係

「低気圧になると、交感神経と副交感神経、どちらが優位になるの?」

ネットでは両方の意見が上がっていますので、もはやどちらを信じて良いのか分かりません。
そこで、一つずつ解説して行こうと思います。

まず、気圧とは気体の圧力を言い、その気体も物質です。
その物質の内容は、約78%が窒素、約20%が酸素、その他約2%となります。
そのため、気圧が下がると言うことは、物質内容も減ることになります。
この酸素が減る状況は、低酸素症と同じ定義に当て嵌められます。

取り込む酸素量が少なくなると、大動脈小体と頚動脈小体が酸素分圧の低下を検知して、それぞれの求心性刺激が延髄の呼吸中枢を刺激して換気を促進させます。
要はたくさん空気を取り込もうとします。
このとき働くのは交感神経になります。

また、構造的には、低気圧による血管の外圧が減ることで血圧も下がります。
この血圧の低下を、大動脈弓と頚動脈洞が検知すると、心拍数を増やして血圧を調節しようとします。
このとき働くのも交感神経になります。

これらの機能は反射によるものなので、身体が正常であれば必ず起こる反応になります。
よって、

「低気圧になると交感神経が優位になる」

がエビデンス的に理に叶っていると考えます。