水素が、老化の原因だとされている活性酸素と結合して水になるとか。
だからいっぱい水素を摂ればアンチエイジング効果があると。
そこで、生理学の基本を使って考察してみる。
生体外の環境は常に変化している。
しかし、生体内の環境は安定に保たれる。
これを、内部環境の恒常性「ホメオスタシス」という。
保たれているものの中に、体液のPHというものがある。
簡単に言ってしまえば、体液の濃度である。
正常体液のPHは7.35~7.45の弱アルカリ性で、酸性に傾き過ぎたりアルカリ性に傾き過ぎないように常に精密に調節されている。
そして、PHを酸性に傾ける物質が水素イオン「H+」である。
生体は体内で行われる代謝の結果、絶えずH+を産生している。
そのため、酸性に傾き過ぎないよう余分なH+を腎臓で排泄している。
常に産生され続け、腎臓が余った分を一生懸命処理しているのにわざわざ摂る必要があるのだろうか。
仮に、H+の産生量が足りなかったとしたら、体に問題があるので摂取して補えば良いと言っている場合ではない。
逆に、活性酸素の産生量が多過ぎてH+が足りないのだとしたら、また違った対応が必要になってくる。
また、アンチエイジングの敵とされている活性酸素は、好中球やマクロファージが体に入った細菌などを分解するときに使われている。
いわば大事な免疫、生体防御に必要な物質としての一面も持っている。
減らすことで老化を防いでも、免疫が低下して病気になったら意味がない。
要は何でもそうであるが、過剰がいけないというだけで、活性酸素が過剰であれば代謝で常に産生されるH+が水に変化させてくれるし、H+が多過ぎれば腎臓が排泄してくれる。
結局、体が勝手に調節してやってくれているのだ。
それを、外から余計なことをする必要などないと私は考えている。
以前の日記にも書いたが、人間の体は私達が知っている以上にハイスペックなのである。
もし何かをしたいのであれば、そういった調節がきちんと働くよう規則正しい生活を心掛けることが一番大事なのではないかと私は考える。
<補足>
最近、水素ガスとして知られる分子状の水素「H2」を使った研究で良い結果が出ているらしい。
ただし、この水素ガスは巷に出回っている非科学的な水素とは異なるものだとか。
ペットボトルに入っている水素も、手に届くころには抜けてしまっていると言い切られている。
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