鍼には色々な流派があり、先生によっても考え方は様々である。
私が考える鍼灸は、東洋医学にのみ固執したものではなく、西洋医学的な観点も取り入れたものである。
やはり、解剖・生理・生化学を学んでしまうと、医学的根拠を無視できない考え方になってしまう。
でも、そうすることで未知の技術である鍼灸がより受け入れやすくなると考えている。
私が行う鍼灸は、鍼で病気やケガをその場で治すと言ったものではなく、鍼で本来人間が持っているはずの回復能力を正常に働かせるようにするものである。
例えば、身体の中に菌やウイルスが入って来たら、免疫細胞の好中球やマクロファージが処理してくれる。
他の免疫細胞が手を出せないMHCクラスⅠ分子の発現を消失させてしまうガン細胞も、NK細胞が処理してくれる。
このように、本来は必要なものは全て身体の中に備わっているのである。
しかし、現代のストレス社会によって交感神経が優位になり、本来働くはずの免疫が抑制されてしまう。
そうすれば、病気にもなるしケガの回復も遅くなる。
寝ても疲れが取れないなんていうのは、まさしく回復能力が低下している証拠だ。
それを、副交感神経優位に切り替え免疫が働きやすくすることで、本来人間が持っている回復能力をフルに活用させるのが私の行う鍼灸の目的なのである。
また、東洋医学的な鍼灸と言えば、気が大事になってくる。
気と言うと胡散臭さを感じる方もいるかと思うが、私は存在すると考えている。
実際、我々が生きて行く上で欠かせない酸素O₂、これが肉眼で見えている人が何人いるだろうか。
また、現代社会において欠かせない電磁波も肉眼では見えない。
見えないのに吸っているし、見えないのに日々利用している。
見たことないからと頭ごなしに否定するのはいささかおかしい。
いずれ科学が進歩し続けて行けば気の素性も解明される日が訪れるだろう。
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