2014/06/03

白血球

赤血球が体を活かすための細胞だとしたら、白血球は体を守るための細胞である。

白血球の数は1mm³に7000個。

顆粒球には、好中球、好酸球、好塩基球がある。
無顆粒球には、単球、リンパ球がある。

それぞれの役割を紹介しよう。


まずは、好中球。

人の体内に細菌や異物が侵入すると、好中球はアメーバ様運動をしながら毛細血管を通り抜けて近付き、それらを取り込んで分解・消化する。
そしてその後、役割を終え約1日で死ぬ。
その死骸が膿である。
多くの人が「膿むこと=悪いこと」と捉え、汚いものを見る目で見ている。
とんでもない。
実際は、私たちのために体内に入った菌をやっつけ戦死した勇敢な兵士。
感謝の言葉を掛けても足らないくらいである。
膿を見かけたら、ぜひ「菌を退治してくれてありがとう」と声をかけてあげて欲しい。

次は、好酸球。

抗アレルギー作用を有し、炎症を抑制する。
また、寄生虫を破壊する。

そして、好塩基球。

アレルギーを引き起こすことで適度な炎症を発生させ、修復作用を促す。
また、ヘパリン(血液をサラサラにする物質)を遊離して血栓の発現を阻止している。

最後は、単球。

好中球と同じく食作用を持つ。
血管外に出るとマクロファージとなり病原菌や異物を取り込み分解・消化して処理。
炎症の慢性期に出現する。

リンパ球は説明が長いのでまた別で取り上げることに。


炎症は外敵が攻めて来たことを知らせる警報サイレンの役割をしている。

赤くなったり、痛くなったり、腫れや発熱を伴ったりもするので嫌なものであるが、体を守るのにはとても役立っている。
ケガをしたりすると、血管が傷つき組織が膨らむ。
これが「腫れ」である。
このことで空間に余裕が出来、マクロファージなどの応援部隊が駆け付けやすくなる。
炎症が起こると、肥満細胞からヒスタミンが出る。
ヒスタミンの放出を知ったマクロファージは外敵が侵入したことを知り、すぐに損傷部位に駆けつけ戦い始める。
やっつけた後は、殺した外敵の一部を自分の体の外に放り出し、より強力な応援部隊であるヘルパーT細胞(免疫システムの司令官)に知らせる。
こうして、一度目の侵入は許しても再度の侵入を防ぐ能力を免疫反応という。
免疫反応は人が生きていくのに必要な反応であるが、この免疫反応が人の体を傷つけることがある。
このように体にとって不利益になる免疫反応をアレルギー反応という。
抗体にはIgM、IgD、IgG、IgE、IgAの5つに分けられる。
アレルギー反応を起こすのは主にIgE抗体である。

こうして白血球は、たった今も私たちの体を守るために戦っている。






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