2018/08/18

コラーゲン ver.2.5

コラーゲンのコラムをver2.5として書き直してみました。
説明上、専門的な言葉も入ってしまいますが、出来るだけ分かりやすく書いたつもりです。
良かったら参考にしてみてください。

私達の体内において、コラーゲンの活躍の場は多岐に渡り、はっきり分かってるだけでもⅠ型〜ⅩⅤⅢ型まであります。
そんな中、今回は多くの女性が気になるⅠ型を始めとする肌のコラーゲンを見て行きます。

I型コラーゲンのコラーゲン領域のアミノ酸組成はグリシン残基が1/3を占め、プロリン及びヒドロキシプロリン残基を合わせて21%、アラニン残基が11%となります。
ということは、I型コラーゲンの材料であるグリシンやプロリン、ヒドロキシプロリンを多く摂れば効果的と言えるでしょう。
ではまず、グリシンは何に多く含まれているかというと、普通のタンパク質の中にはそれほど含まれておらず、コラーゲンの中に多く含まれていると。
ということは、摂取したコラーゲンが直接肌に行くことはなくても、生成過程での材料目的でコラーゲンを摂ることは理にかなっていると言えそうです。
プロリンもまた、コラーゲンを摂ることで材料として吸収出来ます。
ですので、コラーゲンを作りたいならコラーゲンを摂取することは間違いではなさそうです。
ちなみに、コラーゲンは体内に吸収される際には細かく分解されるので、よくある「希少なコラーゲン」である必要はありません。
何故なら、材料であるグリシンやプロリンには希少も何も無いからです。

次に、数あるコラーゲンサプリの中で、どのサプリが良いかという話になります。
コラーゲンには、生成過程で必要な成分というものがあります。
コラーゲン特有のアミノ酸残基であるヒドロキシプロリンやヒドロキシリジンは、まずそれぞれプロリン・リジン残基の形で合成され、タンパク鎖が形成された後に小胞体内で水酸化されます。
この反応時に、補酵素にビタミンC、捕因子に鉄、翻訳後修飾にリジンが必要になります。
ですので、サプリ購入時にはコラーゲンと一緒に、ビタミンC、鉄、リジンが含まれているものを探していただくと良いと思います。
そこでオススメなのは、アミノ酸スコア100のプロテインを摂るのが一番手っ取り早いかと。
まず、アミノ酸スコア100のプロテインの中には、グリシン、プロリン、リジンがしっかり含まれていますし、一緒にビタミンCが入ってるプロテインもあります。
また、コラーゲンはペプチドの状態でも吸収されるとありますが、確かに小腸から小腸粘膜上皮細胞内にはペプチドの状態で吸収されますが、小腸粘膜上皮細胞内でアミノペプチダーゼによって加水分解され血管内に入る時には遊離アミノ酸に分解されています。
一部ペプチドがそのまま血中へとの研究データは出ているようですが、輸送タンパクまで同定されたわけではありません。脂質のミセルの様なパターンも考えられますので、わざわざコラーゲンで摂らなくてはならない理由はないのです。
しかも、今の時代、プロテインは安いしとても飲みやすくなってますので、本当にオススメです。

次に、コラーゲン生成を促して行く過程で必要になって来ることがあります。
コラーゲンの生成には大量の酸素の供給が必要になります。
ですので、肌自体の血行を良くして酸素が細胞に供給されやすい環境を作っておくと効果的と言えます。
エステでのフェイシャルも効果的ですし、マッサージで首肩のコリを取っておくと肌への血行も良くなります。

最後に、化粧品としてのコラーゲンですが、コラーゲンは保湿効果が高いタンパク質であり、コラーゲン分子は3残基ごとに繰り返すグリシン以外の残基がすべて分子表面に露出しているので、周囲に多くの水分子を保持できます。
ですので、コラーゲン生成には繋がりませんが、皮膚表面に塗布することで肌を保湿するという効果は期待出来ます。
ちなみに、皮膚に塗布したコラーゲンがそのままの形で皮下に吸収・利用されることは考えにくいでしょう。

まとめ
コラーゲンサプリよりも、アミノ酸スコア100のプロテインを摂るのが他の必要アミノ酸も摂れるので効果的と言えるでしょう。
そして、酸素が細胞に供給されやすくするために、エステやマッサージなどで血行を促進しましょう。

ここからは、専門家の方へ
コラーゲンは、1000残基近い長さを持つ3本のらせん状のポリペプチド鎖からなり、長さが約3000Åで半径が15Åの棒状分子です。
グリシンがアミノ酸配列の3残基ごとに現れ、各鎖は他の2つの鎖と水素結合し超らせんケーブルを形成します。
この時、グリシンのみが内側の配置に収まります。
ビタミンC (アスコルビン酸)は、特異的な抗酸化剤として働き4-ヒドロキシプロリンを合成します。
ヒドロキシプロリンが多くあるとコラーゲン鎖間に水素結合が形成され、コラーゲンの3重らせんが安定化されます。
ですので、ビタミンCの欠乏はコラーゲンの不十分なヒドロキシ化を引き起こし、その結果生じた異常なコラーゲン繊維は正常な組織強度を維持することができなくなります。
こらがビタミンCが必要な専門的な理由になります。

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