<生成>
グルコースが解糖系でピルビン酸に分解され、ミトコンドリア内でアセチルCoAになり、アセチルCoAはクエン酸シンターゼによりクエン酸に変換、TCA回路を経てATPが生成される。
このときATPが過剰だとTCA回路のイソクエン酸デヒドロゲナーゼの酵素活性が抑制され、TCA回路の代謝が抑制される。
すると、ミトコンドリア内にクエン酸が蓄積。
蓄積したクエン酸はミトコンドリアのマトリックスから細胞質基質に輸送されアセチルCoAに戻される。
そして、アセチルCoAはマロニルCoA、アシルACPを経てパルミチン酸などの脂肪酸になる。
脂肪酸はグリセロールとエステル結合してトリグリセリド(中性脂肪)になる。
<分解>
トリグリセリド(中性脂肪)は、循環アドレナリン(エピネフリン)によって活性化された脂肪細胞内のリパーゼにより脂肪酸とグリセロールに加水分解される。
脂肪酸は細胞質内でアシルCoAになりL-カルニチンによってミトコンドリアに運搬されβ酸化されアセチルCoAとなる。
その後、TCA酸回路を経てエネルギー(ATP)になる。
また、絶食時やブドウ糖が少ないときはアセチルCoAをTCA回路で処理する際に必要なオキサロ酢酸が作れないためTCA回路が十分に回らない。
処理出来なかった過剰なアセチルCoAは肝臓でケトン体の合成に回される。
肝臓はケトン体を作り出すが、自分で消費しないよう酵素が欠けているので自身のエネルギー源としては利用できない。
2016/12/12
起因と過程
健康ブームが一過性のものから日常的なものになり多くの雑学が出回っている。
何を信じるかは人それぞれ自由なので構わない。
しかし、せめて当院の患者さんには正しい知識を知って欲しい。
一回の来院で色々な話をしても、知識として持って帰れるものは意外と少ない。
ほとんどの人が、後から何だっけと忘れてしまう。
そんな時は、私が書いて来たコラムを参考にして欲しい。
内容は全て、その時の医学に準拠した内容になっている。
人の体で何か反応が起きるとき、そこには必ず起因(スイッチ)と過程(プロセス)が存在する。
人の体で何か反応が起きるとき、そこには必ず起因(スイッチ)と過程(プロセス)が存在する。
これが無いということは、医学的根拠が無いということだ。
どんなものにも存在する。
例えば…
「ケガをして痛い。」
このごく日常に起こる反応の中にも起因と過程が存在する。
通常、ケガをすると組織、細胞が破壊される。
このとき、血漿内でプレカリクレインが、血管内皮の損傷で活性化されたハーゲマン因子によってカリクレインとなる。
カリクレインが、キニノーゲン(α2グロブリン分画)のペプチド結合を加水分解してブラジキニン(発痛物質)を作る。
同時に、破壊された細胞の膜を構成していたリン脂質がアラキドン酸カスケードを経て、プロスタグランジンE2(発痛助物質)になる。
これらが、侵害受容器(痛みの神経)に作用し、活動電位が発生。
神経を上行して脳が痛みを受容する。
一般の人は、「ケガをして」というスタートと「痛い」というゴールだけを見ているが、我々プロは、常にその間を見ている。
<補足>
アラキドン酸カスケード
リン脂質にエステル結合しているアラキドン酸がホスホリパーゼA2(PLA2)によって遊離され、シクロオキシゲナーゼ(COX)より代謝され、プロスタグランジンG2、プロスタグランジンH2へと変わる。
そして、プロスタグランジンE合成酵素(PGES)に代謝されプロスタグランジンE2へと変わる。
2016/11/24
免疫 その2
免疫抑制の機序
大阪大学免疫学フロンティア研究センターの鈴木一博准教授らが分子レベルで実証。
リンパ球はリンパ節から脱出し、血流に乗って体内を循環して免疫作用を発揮する。
交感神経の節後繊維から放出されたノルアドレナリンがリンパ球の細胞膜にあるβ2アドレナリン受容体に反応し、リンパ球の働きをコントロールするケモカイン受容体と細胞膜で相互作用して、リンパ球のリンパ節からの脱出を抑制する。
よって、交感神経優位で免疫力が低下する。
<補足>
リンパ球の細胞膜にはβ2アドレナリン受容体がある。
β2アドレナリン受容体は、細胞の移動を促す分子であるケモカインの受容体CCR7、CXCR4と複合体を形成する。
ケモカイン受容体が働くと、リンパ球のリンパ節への保持が促される。
交感神経節前繊維(コリン作動性ニューロン)からアセチルコリンが放出→
交感神経節後繊維(アドレナリン作動性ニューロン)のニコチン受容体が受容→
交感神経節後繊維(アドレナリン作動性ニューロン)がノルアドレナリンを放出→
効果器のα、β1、β2受容体が受容
αはノルアドと、βはアドと親和性が高い
副交感神経節前繊維(コリン作動性ニューロン)からアセチルコリンが放出→
副交感神経節後繊維(コリン作動性ニューロン)のニコチン受容体が受容→
副交感神経節後繊維(コリン作動性ニューロン)がアセチルコリンを放出→
効果器のムスカリン受容体が受容
アドレナリン作動性ニューロンからはアドレナリンは直接出ない。
循環アドレナリンによって反応。
副腎髄質は交感神経系の神経節である。
副腎髄質にはアセチルコリンの受容体(ニコチン?)があり、交感神経節前線維が放出するアセチルコリンを受け取る。
それにより髄質は血液中にアドとノルアドを17:3の割合で放出。
そのアドレナリンが循環して骨格筋のβ受容体などに反応し血管が拡張。
大阪大学免疫学フロンティア研究センターの鈴木一博准教授らが分子レベルで実証。
リンパ球はリンパ節から脱出し、血流に乗って体内を循環して免疫作用を発揮する。
交感神経の節後繊維から放出されたノルアドレナリンがリンパ球の細胞膜にあるβ2アドレナリン受容体に反応し、リンパ球の働きをコントロールするケモカイン受容体と細胞膜で相互作用して、リンパ球のリンパ節からの脱出を抑制する。
よって、交感神経優位で免疫力が低下する。
<補足>
リンパ球の細胞膜にはβ2アドレナリン受容体がある。
β2アドレナリン受容体は、細胞の移動を促す分子であるケモカインの受容体CCR7、CXCR4と複合体を形成する。
ケモカイン受容体が働くと、リンパ球のリンパ節への保持が促される。
交感神経節前繊維(コリン作動性ニューロン)からアセチルコリンが放出→
交感神経節後繊維(アドレナリン作動性ニューロン)のニコチン受容体が受容→
交感神経節後繊維(アドレナリン作動性ニューロン)がノルアドレナリンを放出→
効果器のα、β1、β2受容体が受容
αはノルアドと、βはアドと親和性が高い
副交感神経節前繊維(コリン作動性ニューロン)からアセチルコリンが放出→
副交感神経節後繊維(コリン作動性ニューロン)のニコチン受容体が受容→
副交感神経節後繊維(コリン作動性ニューロン)がアセチルコリンを放出→
効果器のムスカリン受容体が受容
アドレナリン作動性ニューロンからはアドレナリンは直接出ない。
循環アドレナリンによって反応。
副腎髄質は交感神経系の神経節である。
副腎髄質にはアセチルコリンの受容体(ニコチン?)があり、交感神経節前線維が放出するアセチルコリンを受け取る。
それにより髄質は血液中にアドとノルアドを17:3の割合で放出。
そのアドレナリンが循環して骨格筋のβ受容体などに反応し血管が拡張。
2016/11/03
鍼灸治療
鍼には色々な流派があり、先生によっても考え方は様々である。
私が考える鍼灸は、東洋医学にのみ固執したものではなく、西洋医学的な観点も取り入れたものである。
やはり、解剖・生理・生化学を学んでしまうと、医学的根拠を無視できない考え方になってしまう。
でも、そうすることで未知の技術である鍼灸がより受け入れやすくなると考えている。
私が行う鍼灸は、鍼で病気やケガをその場で治すと言ったものではなく、鍼で本来人間が持っているはずの回復能力を正常に働かせるようにするものである。
例えば、身体の中に菌やウイルスが入って来たら、免疫細胞の好中球やマクロファージが処理してくれる。
他の免疫細胞が手を出せないMHCクラスⅠ分子の発現を消失させてしまうガン細胞も、NK細胞が処理してくれる。
このように、本来は必要なものは全て身体の中に備わっているのである。
しかし、現代のストレス社会によって交感神経が優位になり、本来働くはずの免疫が抑制されてしまう。
そうすれば、病気にもなるしケガの回復も遅くなる。
寝ても疲れが取れないなんていうのは、まさしく回復能力が低下している証拠だ。
それを、副交感神経優位に切り替え免疫が働きやすくすることで、本来人間が持っている回復能力をフルに活用させるのが私の行う鍼灸の目的なのである。
また、東洋医学的な鍼灸と言えば、気が大事になってくる。
気と言うと胡散臭さを感じる方もいるかと思うが、私は存在すると考えている。
実際、我々が生きて行く上で欠かせない酸素O₂、これが肉眼で見えている人が何人いるだろうか。
また、現代社会において欠かせない電磁波も肉眼では見えない。
見えないのに吸っているし、見えないのに日々利用している。
見たことないからと頭ごなしに否定するのはいささかおかしい。
いずれ科学が進歩し続けて行けば気の素性も解明される日が訪れるだろう。
私が考える鍼灸は、東洋医学にのみ固執したものではなく、西洋医学的な観点も取り入れたものである。
やはり、解剖・生理・生化学を学んでしまうと、医学的根拠を無視できない考え方になってしまう。
でも、そうすることで未知の技術である鍼灸がより受け入れやすくなると考えている。
私が行う鍼灸は、鍼で病気やケガをその場で治すと言ったものではなく、鍼で本来人間が持っているはずの回復能力を正常に働かせるようにするものである。
例えば、身体の中に菌やウイルスが入って来たら、免疫細胞の好中球やマクロファージが処理してくれる。
他の免疫細胞が手を出せないMHCクラスⅠ分子の発現を消失させてしまうガン細胞も、NK細胞が処理してくれる。
このように、本来は必要なものは全て身体の中に備わっているのである。
しかし、現代のストレス社会によって交感神経が優位になり、本来働くはずの免疫が抑制されてしまう。
そうすれば、病気にもなるしケガの回復も遅くなる。
寝ても疲れが取れないなんていうのは、まさしく回復能力が低下している証拠だ。
それを、副交感神経優位に切り替え免疫が働きやすくすることで、本来人間が持っている回復能力をフルに活用させるのが私の行う鍼灸の目的なのである。
また、東洋医学的な鍼灸と言えば、気が大事になってくる。
気と言うと胡散臭さを感じる方もいるかと思うが、私は存在すると考えている。
実際、我々が生きて行く上で欠かせない酸素O₂、これが肉眼で見えている人が何人いるだろうか。
また、現代社会において欠かせない電磁波も肉眼では見えない。
見えないのに吸っているし、見えないのに日々利用している。
見たことないからと頭ごなしに否定するのはいささかおかしい。
いずれ科学が進歩し続けて行けば気の素性も解明される日が訪れるだろう。
2016/07/24
原子
原子
電子ーの中に原子核+がある。
原子核
陽子+ + 中性子
原子は、原子核+の周りをーの電子が取り巻いている状態。
原子核は中性子が+でもーでもなく陽子が+なので+。
電子と陽子の電荷が同じ。
このバランスが崩れ、過剰あるいは欠損により電荷を帯びた原子がイオン。
原子の数は、陽子と中性子の組み合わせに応じて300~6000種類ある。
原子は構造的な概念であるのに対して、元素は特性の違いを示す概念である。
元素の差異は陽子の数(原子番号)で区分される。
したがって、中性子の総数により質量数が異なる同位体も同じ元素として扱われる。
これに対し原子は中性子の個数を厳密に捉える。
したがって、元素とは原子の集合名詞ということも出来る。
元素の種類は114種類。
例えば炭素Cには中性子数の異なる12C、13C、14Cの3種類がある。
アルギニンの化学式 C6H14N4O2
ブラジキニンの化学式 C50H73N15O11
グルコースの化学式 C6H12O6
電子ーの中に原子核+がある。
原子核
陽子+ + 中性子
原子は、原子核+の周りをーの電子が取り巻いている状態。
原子核は中性子が+でもーでもなく陽子が+なので+。
電子と陽子の電荷が同じ。
このバランスが崩れ、過剰あるいは欠損により電荷を帯びた原子がイオン。
原子の数は、陽子と中性子の組み合わせに応じて300~6000種類ある。
原子は構造的な概念であるのに対して、元素は特性の違いを示す概念である。
元素の差異は陽子の数(原子番号)で区分される。
したがって、中性子の総数により質量数が異なる同位体も同じ元素として扱われる。
これに対し原子は中性子の個数を厳密に捉える。
したがって、元素とは原子の集合名詞ということも出来る。
元素の種類は114種類。
例えば炭素Cには中性子数の異なる12C、13C、14Cの3種類がある。
アルギニンの化学式 C6H14N4O2
ブラジキニンの化学式 C50H73N15O11
グルコースの化学式 C6H12O6
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