2015/11/24

体温 その1

体温調節の仕組み

 温度受容器:外気温の変化を受容する。温受容器と冷受容器がある。
 温度受容ニューロン:生体内の温度変化を受容する。温ニューロンと冷ニューロンがある。

 各温度受容器で受容された情報は、視床下部の体温調節中枢で統合され、
 これに基づいた指令が神経系、内分泌系を介して産熱と放熱に関わる組織・器官に伝達される。


産熱
 1.基礎代謝
    細胞の代謝に伴う熱産生
 2.筋肉からの産熱
    筋肉運動:骨格筋による等張性運動
    筋緊張:骨格筋の持続的収縮、等尺性運動
    ふるえ産熱:骨格筋の律動的な収縮、寒い時のふるえ現象
    産生計2700kcal
    骨格筋1570
    呼吸筋240
    肝臓600
    心臓110
    腎臓120
    その他60
 3.非ふるえ産熱
    筋以外の組織の代謝による産熱。
    肝臓、心臓、腎臓など。
 4.自律神経の働きによる放熱の防止
    皮膚血管の収縮→皮膚血流量の減少
    立毛筋の収縮→鳥肌
    発汗の抑制による産熱
 5.ホルモンの作用
    サイロキシン、カテコールアミン、プロゲステロンなどで基礎代謝を促進
 6.その他
     特異動的作用:食後に発生する熱

放熱
 1.物理的現象による放熱
    輻射、伝導、対流、蒸発

    不感蒸散
     一日約1L
     皮膚に浸出してくる水分の蒸発
     気道を通り呼出される空気中への蒸発

 2.自律神経による放熱
    皮膚血管の拡張
     皮膚血流量の増加

    発汗
     交感神経により発汗は亢進する

     汗腺の種類
      エクリン腺:全身に分布。200~500万
      アポクリン腺:毛包に開口。腋窩、乳頭部、会陰部、外耳道などに分布。
            精神的緊張により分泌。

     発汗の種類
      温熱性発汗:手掌、足底を除く全身。
      精神性発汗:手掌、足底、腋窩、前額に発現。
      味覚性発汗:辛味、酸味などにより顔面に発現。   


<補足>

体温の測定
 直腸温37.0~37.5℃  > 口腔温36.5~37.0℃ > 腋窩温36.0~36.7℃

体温の日内変動幅は0.5~0.7℃

性周期で約0.5℃の範囲で変化
 月経~排卵 :低体温
 排卵      :一過性の低下
 排卵~月経  :高体温
 生理前が高くなる。

対向流熱交換系
 動脈は深部静脈との間で対向流機構が働き、動脈血は冷やされて末梢部に達する。
 しかし、静脈血は暖められて戻るので体幹部が過度に冷やされることがない。

外気温低下時に代謝亢進による産熱が必要なので、寒い地方の方が代謝がよくなる。





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