2014/09/08

栄養と代謝(脂質)

脂質
中性脂肪の形で貯蔵され、脂肪酸やグリセロールの形でエネルギー源となる。

脂質の種類

単純脂質(中性脂肪)・・・脂肪酸とグリセロールがエステル結合したもの。
類脂質
 複合脂質(リン脂質、糖脂質、リポ蛋白質)・・他の物質と結合している脂質。
 誘導脂質(脂肪酸、グリセロール、ステロール類)・・分解産物で脂溶性のもの。



脂肪酸
飽和脂肪酸・・・・動物性脂肪に多く含まれ、常温で固体(脂)のものが多い。
不飽和脂肪酸・・・植物性脂肪に多く含まれ、常温で液状(油)のものが多い。

人はアセチルCoAを原料に種々の脂肪酸を合成するが、体内で合成出来ない脂肪酸を必須脂肪酸という。



必須脂肪酸

n(オメガ)-6系・・・リノール酸、γーリノレン酸、アラキドン酸
n(オメガ)-3系・・・αーリノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)

リノール酸、γーリノレン酸は細胞膜成分(リン脂質)として存在する。

n(オメガ)-3系は血小板の凝集を抑える。


中性脂肪

3分子の脂肪酸と1分子のグリセロール(一種のアルコール)がエステル結合している。
リパーゼは脂肪酸とグリセロールの結合を加水分解する酵素。

体内では脂質よりも糖質が優先してエネルギーとして利用されるので、糖質のエネルギーが十分な場合には、脂質はキロミクロン(リポ蛋白質)の形で脂肪組織に運ばれて、その中の脂肪酸が脂肪組織に取り込まれ、トリグリセリド(中性脂肪)に再合成され脂肪滴として脂肪細胞中に貯蔵される。

一方、エネルギー供給が不十分な場合には、肝臓・心筋・骨格筋などの毛細血管壁に存在するリパーゼが活性化して、キロミクロンのトリグリセリドから脂肪酸を遊離させる。
脂肪酸はミトコンドリアやペルオキシソームのβ酸化回路系を経てアセチルCoAとなり、クエン酸回路をへてH2OとCO2に酸化される。
1分子のパルミチン酸からおよそ129分子のATPが産生される。





2014/09/01

栄養と代謝

同化(還元):新しい物質を合成。エネルギーを消費。

異化(酸化):物質の分解。エネルギーを産生。



糖質の種類
単糖類
 グルコース
 ガラクトース
 フルクトース

二糖類
 マルトース
 ラクトース
 スクロース

多糖類
 デンプン・・・・穀物の貯蔵多糖
 グリコーゲン・・動物の貯蔵多糖
 セルロース・・・食物繊維


アミノ酸の種類
必須アミノ酸・・・生体で合成出来ない。(9種)
 メチオニン、フェニルアラニン、リシン、ヒスチジン、トリプトファン、
 イソロイシン、ロイシン、バリン、スレオニン

非必須アミノ酸・・・(11種)
 グリシン、アラニン、セリン、チロシン、プロリン、システイン、アスパラギン酸
 グルタミン酸、アルギニン、アスパラギン、グルタミン


中間代謝
 吸収期と空腹期がある。

吸収期
食事後3時間で腸管から栄養素が血中に入りつつある時間帯。

空腹期
空腹期には、蓄えられたグルコースの大部分が脳で消費され、身体運動などのエネルギー源には貯蔵脂肪の異化によって賄われる。
空腹期には、まず肝臓内のグルコースが利用されるが、100g程度しか含有しておらず、貯蔵分を利用した後は、筋や脂肪組織、蛋白質などからグルコースを生成する。(糖新生)
糖新生では1日で180gのグルコースを生成出来るが、それだけでは間に合わない。
中枢神経系以外の組織でのグルコースの利用を停止し、脂肪を用いてエネルギー生成を行なう様に切り替わる。



<補足>

呼吸商
 糖質  1.0
 脂質  0.7
 蛋白質 0.8

アトウォーター係数
 糖質  4.1kcal/g
 脂質  9.3kcal/g
 蛋白質 4.2kcal/g






 

2014/08/18

無機塩類

<無機塩類> <作用> <欠乏症>
Na(ナトリウム) 体液浸透圧調節、活動電位の発生
K(カリウム) 体液浸透圧調節、活動電位の発生
Cl(塩素) 体液浸透圧調節、胃酸の成分
Ca(カルシウム) 骨・歯の成分、血液凝固に関与、筋・神経の興奮性維持 テタニー症
P(リン) 骨・筋・血液・乳汁の構成要素
Fe(鉄) ヘモグロビンの成分 鉄欠乏性貧血
I(ヨウ素) 甲状腺ホルモン(サイロキシン)の原料
Zn(亜鉛) 新陳代謝(特に蛋白質)を促進 味覚低下、肢端皮膚炎

2014/08/11

ビタミン

<ビタミン> <作用> <欠乏症>
骨の石灰化と成長 小児でくる病、成人で骨軟化症
精子形成、胎盤発育、抗酸化作用 不妊症、筋ジストロフィー、赤血球脆弱
プロトロンビンの生成 出血性素因
上皮細胞分化・形成、ロドプシン成分 上皮の角化、夜盲症、角膜乾燥症
B1 糖代謝に関与、ピルビン酸蓄積 脚気、筋力低下、心不全
B2 脂質代謝に関与 発育不全、口角炎、舌炎
B6 蛋白質代謝に関与 皮膚炎、口内炎
B12 赤血球の生成に関与 悪性貧血(巨赤芽球性貧血)
葉酸 赤血球の生成に関与 貧血
ニコチン酸 糖・蛋白代謝、脂質合成、ナイアシン ペラグラ
コラーゲン生成、抗酸化作用 壊血病

2014/08/05

元素

元素記号 元素名 量的比(%) 形態
酸素 65 水、蛋白質、脂質、糖質
炭素 18 蛋白質、脂質、糖質
水素 10 水、蛋白質、脂質、糖質
窒素 3 蛋白質、核酸、クレアチンリン酸
Ca カルシウム 1.5(2) Ca2+、リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト
リン 1(0.6) リン酸カルシウム、リン脂質、ATP
カリウム 0.35(0.16) K+
イオウ 0.25(0.5) 含硫アミノ酸、ケラチン
Na ナトリウム 0.15(0.16) Na+
Cl 塩素 0.15(0.14) Cl-
Mg マグネシウム 0.05(0.03) リン酸マグネシウム、マグネシウム活性化酵素
Fe 0.004 ヘム蛋白質、含ヘム酵素
ヨウ素 0.00004 チロシン、トリヨードチロニン
Mn マンガン 微量 マンガン酵素、マンガン活性化酵素
Cu 微量 銅蛋白質、亜銅活性化酵素
Zn 亜鉛 微量  
Si ケイ素 微量  
As ヒ素 微量  
フッ素 微量 フッ化物
Br 臭素 微量  
Ni ニッケル 微量  
Co コバルト 微量 ビタミンB12
Al アルミニウム 微量  
Se セレニウム 微量 セレン酵素
ホウ素 微量  
Sr ストロンチウム 微量  
Va バナジウム 微量  
Mo モリブデン 微量 モリブデン蛋白質、モリブデン酵素
Cd カドミウム 微量